『中高生のための本の読み方』

本のつくりの着想は

 最近は、ポツポツといろんなタイプの読書案内が出るようになってきましたが、少し前まで、中高生向けの読書案内と言えば、まずは、小説が対象でした。じゃあ、小説以外はどうすればいいの? と。

 当初は、ラノベで、という話もあったんですが、ラノベだとどうしても流行の変化が早いのですぐに古くなります。連載が本になるまでは時間がかかります。それに、できれば長く使える読書案内にしたい。そんなことから、載せる本は、なるべく古びないもの、漫画なら続きそうなものを選んでテーマごとに紹介することにしました。

選書のポイントは

 中には、敢えてちょっと大人向けの本なんかも入れてあるので、一見すると、コレ中高生に読めるかな? と感じる人もいるかもしれないですね。でもたとえ、そのときは読後にピンと来なくても、大人になって何かの拍子に読み返したとき、その印象の違いにビックリすると思うんです。そういう面白さや気づきは、中高生のときに読んでおかないと起きないので。そんな意図もあったりしますね。

日本の読書事情の問題点は

 日本の2、30代は、人生でも特に本を読まない時期なんです。これは本当に社会的損失で、例えば、欧米諸国や中国などでは、その年代は結構な読書量を積んでいます。逆に言えば、これだけ読書が人生を俯瞰して切れている社会って珍しい。というのも、本は人間力を育むのに不可欠なツールなので、どこの国でも一生を通して読まれるんです。

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