• Memorial Archives
  • 様々のタレントのいつまでも色あせない青春の頃を、MORGENのアーカイブより紹介する。
松坂大輔

松坂大輔さん(プロ野球選手)

 プロ野球選手以外の仕事は考えたこともありませんね。ずーっと野球に集中してここまできてしまったんです。ですから他のことはまったく考えなかった(笑い)。もし野球がだめだったらと、一度も考えたことがなかったんですからね。だから、周囲の人が進路を真剣に考える時期になってもぼくはますます野球に集中していきましたね。それはぼくにとってとても自然なことだったんです。でも親は勉強を適当にしかしない子どもを見ていて心配していましたよ。親にとってはプロの世界は簡単に入れるような世界には思えないわけですから当然ですよ。それよりもとりあえず勉強をしないと息子の将来が見えてこないわけです。それで心配で「勉強しなさい」とうるさく言われましたね。だから一時期は親に反発していましたよ。でもその分野球の練習はしたんです。いままでで一番練習したのが高校三年のときですかね。

 ぼくは練習は嫌いです。大嫌いです。でも自分の目標に向かって進むためにはやらなければならないことがあるんだと思うんです。だから、それから逃げるのは嫌いなんです。辛いことから逃げ出すことは簡単だけど、その辛さに向かって挑んでいってこそ多くのものが手に入るんだと思うんです。ぼくがこんなふうに考えられるようになったのは、高校二年のときに不本意な負け試合をして、この悔しさが、嫌いな練習に飛び込ませる自覚を与えたような気がします。それと人間として一番影響を受け尊敬する高校のときの監督のおかげですね。

目標は大リーグ。いつまでも変わらない自分のままで……

 選手として目標にしてきたのは、小さなころから桑田さんと清原さんですね。プロに入って初めてお会いしたときは感動しましたし、いまでもやっぱり憧れの目で見てしまいます。今年(二〇〇一年)の日本シリーズで戦いましたが、やっぱり巨人は強かったですよ。

 スポーツ選手は毎年いろいろな時期があります。ぼくの嫌いな季節は秋です。この時期は新しい選手が入ってくると同時に、戦力外通告を受ける選手もいるわけです。球団を去る人のなかにはいろいろなアドバイスをくれた先輩や親しい人もいます。厳しい世界だから自分が残りたくとも残れないんです。そんな人が寮を去るときには、お世話になったことが思い出されて、本当に辛い、辛い季節ですね。

 でも、選手生命を短くするか長くするかは本人次第ですからね。

 先輩たちが大リーグで活躍していますが、ぼくの目標も大リーグでの活躍です。その夢はプロ野球選手になる以前から最終的な目標はそこにおいていたんです。そのためにはもっともっといろんなことを経験して積み重ねて自分自身を大きくしまいといけないと思っています。それと同時にできるだけいまのぼくのままで変わりたくないとも思っているんです。高校時代の友だちがあいかわらず変わらないね、と言ってくれるし、それがすごく嬉しいし(笑い)。ファンレターを見ても「いつまでもそのまま変わらないで」というのが結構多いんです。あまり意識することではないかもしれませんが、いまのままの自分でいたいと思いますね。

まつざか だいすけ 1980年9月13日生まれ。横浜高校卒業後、99年ドラフト一位で西部ライオンズ入団。同年、新人賞をはじめ、最多勝、ベストナイン、ゴールデングラブ賞、最多奪三振など。2001年には沢村賞を受賞した。

(月刊MORGEN archives2002)

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