髙橋 則恭さん(福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校 学校司書)

教職員、生徒、ボランティアetc…多くの人の手で開館した図書館

 本校は平成二七年四月に双葉郡広野町に開校した中高一貫校です。「変革者たれ」を建学の精神に据え、三系列からなる総合学科の学校として主体的な生徒の育成を目指してきました。春には高校の四期生が卒業を迎えます。

 初年度は司書が配置されず、図書部の教職員と一期生の生徒たち、有志のボランティアの方々の手で学校図書館を開館しました。図書のブッカーやラベルの手書き文字を見るだけでも関わって下さった方がいかに多いかわかります。

 夢中になって蔵書を構築するなかで、全国各地から寄付や寄贈をいただきました。企業や団体をはじめ、開校を知り応援したくなったという市井の方々、国内外の学校からも本が届けられました。このようにして本校の図書館は始まったのでした。

手応え感じる探求学習

 一昨年に新校舎が竣工し現在の場所へと移りました。木をモチーフとした新館は、低く設えた書架で区切られて幾何的な美しさがあります。これを活かそうと、配架は図書館としての標準を大切にすることにしました。今ではもっと工夫できるように思えますが、成長の余地にも見えます。図書の利用率は一進一退といったところでしょうか。

続きを読む
1 / 3

関連記事一覧