『18歳までに知っておきたい法のはなし』

 今の社会は、SNSを介して容易に見ず知らずの他人と繋がれます。悪い大人と素直な子ども、という構図が凄く多くなっている。よく法を知らずに騙されて、まんまと多額のペナルティーを支払うなんてケースもとても多い。そうならないように、ちゃんと自分の頭で考えて慎重に判断し、場合によっては契約を解除する。例え、権威ある人の発言でも、簡単には鵜呑みにしない根のある思考力を育てたいと考えた。

 もう一つは、現代の他者とのコミュニケーションが、あまりに短絡的になり過ぎていると思ったからです。他人を敵、味方の二つに分けて、敵と見なせば排除、断絶する。そうじゃなくて、例え自分と全く違う考えでも、一旦は意見を聞きながら自分の頭で考えて、取り入れるものは取り入れる。キチンとした対話のできる人づくりを目指して始めた。

迫る18歳成人、問題は

 一番は、「未成年者取消権」の喪失です。「未成年」として保護される権利が、前倒しで無くなることになることになるわけで、それまでに一定の知識を持つことがより重要になる。これまでも、一般に新成人は犯罪に遭いやすく、狙われる傾向があった。

 「法」と聞くと目に見えない遠いものと感じるけど、実際はすぐ身の回りに転がっているんです。誰しも、必ず何かしらの契約をして生きている。そこを意識しないからトラブルに巻き込まれる……。だから、この本はその抑止力の役割を強く意識しています。

 少しの法を知るだけで、モノの見方がグッと立体的になる。多面的な視野を持つことで、トラブル防止、あるいは解決法が見出せ、結果として幸せになることができます。他方、法の無理解を放置すれば、成人年齢の引き下げは数多くの不幸を生むでしょうね。

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