野鳥と私たちの暮らし 第8回「虎斑模様のフクロウ トラフズク」

冬に訪れるトラフズクが繁殖

 トラフズクは、長野県では冬に訪れる鳥と言われていました。それが1999年7月上旬、長野県北部の飯山市でトラフズクの巣立ち雛が盛んに鳴いているという情報があり、テレビ局の方と一緒に現場に駆けつけたことがあります。農家の屋敷林に巣立ちしたばかりの雛が4羽いました。雛の顔は黒く、近くには親鳥もいましたので、トラフズクが繁殖したことは間違いありません。雛はまだよく飛べなく、枝移りしながら時々「キーキー」と鋭い声で鳴き、人が近づくと嘴をパチパチと鳴らし威嚇してきました。

 巣はどこにあるのだろうか?最初に樹洞を探したのですが、繁殖できそうな樹洞はありません。次に屋根裏などの建物の穴を探したのですが、そこにも巣は見つかりません。最後にイチイの大木に大きな巣がありましたので登ってみると、雛が口から吐き出した新しいペリットがいくつも巣の周りに残されていましたので、カラスの古巣でトラフズクが繁殖したことが分かりました(写真2)。

写真2 トラフズクが繁殖したカラスの古巣。巣の縁にはペリットが落ちていた。

ペリットによる食性解析

 トラフズクは他のフクロウ類と同様にノネズミなどの餌を丸呑みにしますので、消化できなかった毛や骨を口から吐き出す習性があります。吐き出されたものがペリットです。このペリットは、冬に塒をとっている木の下にも落ちていますので、そのペリットを見つけ、トラフズクが塒をとっていることに気づくこともあります。

 トラフズクが繁殖した巣から採集したペリットをほぐすと、ノネズミの毛と共に頭骨、下顎骨、歯等が多数出てきました(写真3)。

写真3 ペリットをほぐすと、ノネズミの毛と共に白い骨が多数出てきた。
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