大川 功さん(聖学院中学校高等学校 図書館部長) 

保護者とつながる学校図書館

 本校は、都内では唯一のプロテスタント系中高一貫男子校です。図書館は、「生徒・保護者・教職員の文化を撹拌し、発展させていくことを目指す」という理念のもと動的図書館として役割は果たしています。

 毎朝7時30分に開館し、始業前の生徒が、読書や課題の確認等に訪れ、司書からの「いってらっしゃい!」の言葉を背に教室に入る者もいます。授業では1時間目から6時間目までのすべての授業で図書館が利用されることもあり、理科の「砂糖についての研究」、社会の「SDGsの実現にむけたアイデアの発表」、保健での「教科書POP作り」、国語での「新書を10冊読もう!ビブリオバトル」、社会での「世界の食べ物調べ」など、常に空気が動いている空間です。また、放課後は、高校サッカー部がグラウンドでの練習前にブックトークやPOP作りに励んでいます。

 図書館では、生徒・教職員だけでなく、保護者に対しても貸出カードを作って、本の貸出を行なっています。「生徒が本に親しむには、まず保護者が本を読む姿を見せること。『ためになる読書』から解放され、親子で本について語り合う雰囲気を家庭の中で作ること」を伝えています。

 また、「男の子の思春期を、母親としてどのように受け止めればよいのか?」について、子育ての先輩の立場から、司書が自身の経験をもとに保護者にむけてお話しをする会も6年目を迎えます。

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