大川 功さん(聖学院中学校高等学校 図書館部長) 

 保護者からは、ご自身の趣味を生かしたクロスステッチやフラワーアレンジメント、手作りのぬいぐるみといった作品が届けられ、館内の装飾に彩りを加えています。さらに、年に二回、生徒・保護者・図書館関係者を対象にした公開講座を設定し、作家、翻訳家、雑誌編集者による講演を開催しています。

 3月11日には、仙台で被災した経験を持つ先生から当時の様子をお聞きすることで、「首都圏に住む我々が備えるべきこと」について考える機会を持つ予定です。リカレントの観点から、保護者に日常的に図書館を開放する点に、本校の特徴があります。

図書委員による絵本の読み聞かせ

 学校説明会や文化祭では、図書委員が児童にむけて絵本の読み聞かせを行っています。「男子校の図書委員」というと、どのようなイメージを抱かれるでしょうか? 普段は無口な図書委員もいますが、絵本を手にすると、そこに描かれる世界に入って、すばらしい読み聞かせを披露してくれます。幼い頃、母親に読んでもらった絵本を、高校生になって改めて手に取ることには哲学的な発見があります。児童からの感想も好評。図書館は発見の場であると同時に、表現の場でもあります。

 このように、本校の図書館では、本の貸出だけでなく、生徒・保護者のあらゆる知的好奇心を掘り起こすマドラー役を目指しています。

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