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  • 過去に読書と教育の新聞「モルゲン」に掲載された記事からランダムでpickupし紹介。

野鳥と私たちの暮らし 第17回 カルガモ 最も身近なカモ カルガモ

多くの地域で留鳥

 マガンなどの雁(がん)類に比べ首が長くないカモ目カモ科の鳥を一般にカモ類と呼んでいます。日本にはカモ類が30種以上と多くの種類が生息していますが、その多くはシベリア、カムチャッカ半島などの北方で繁殖し、秋に日本に渡ってきて冬を過ごす冬鳥です。

 それに対し、日本で繁殖するカモ類はオシドリ、マガモ、カルガモなど少数です。その少数の中でオシドリとマガモは比較的標高の高い地域で繁殖するのに対し、カルガモは平地から比較的標高の低い地域で繁殖しています。北海道を除く本州以南に周年見られる留鳥で、河川や湖などの他、水田や市街地の池でも年間を通して見ることのできるガモです。すので、カルガモは日本では最も身近なカモ類なのです。

嘴先端の黄色が特徴

 日本の他、中国、ロシアの極東、朝鮮半島にも生息するアジアに分布するカモです。カモ類は種類が多い上に、その多くは雌雄で色彩が異なり、かつ冬羽と夏羽では換羽により色彩が変化しますので、種類と雌雄の判定が難しい鳥です。しかし、カルガモは年間を通して雌雄同色である点でユニークなカモです。

 この鳥の最も簡単な見分け方は、嘴の先端が黄色いという特徴です(写真上:羽づくろいをするカルガモ 嘴の先端の黄色が特徴・写真下:立ち上がり伸びをし、羽ばたきをするカルガモ)。また、この鳥は「グエーグエッグエ」と聞こえる大きな声よく鳴きますので、他のカモ類と一緒に群れている時でも、この声でこの鳥のいることを知ることができます。

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