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蓮見孝之さん(TBSテレビ アナウンサー)

(サッカーで生きられないとなれば、やはり大学に進学するしかない。それでは一体、自分は将来何をしたいのか。やはりサッカーに関わる仕事ができれば幸せだろうか)漠然とした思いを胸に書籍を開いては、次々に様々な職業を調べていく。

 いくつかの仕事が目に留まったが、一生続けられる仕事がいいだろう、と条件をつけてさらに絞り込む。(教師はどうだろう。教える側に立って自分の果たせなかった夢を子供たちに託し、関わっていく……、いや、それより地域の少年サッカーチームに携わろう。それともスポーツメーカーに勤務しようか……)。

 選択肢は多くあった。しかし、その中でひと際輝いた職業は、やはりアナウンサーである。テレビ局に勤めれば大きな大会に関わる機会もきっと増える。そんな期待が胸を捉えて離さなかった。

 大学は大学サッカーの名門・法政大学経済学部へ進学した。高校、大学と、推薦で合格を手にし、吉報を両親に届けると、わが子の将来がまたひとつ明るくなったと二人の顔はほころんだ。

 大学に上がるとまずは様々な資格取得に取り組んだ。サッカーのC級コーチライセンスに4級審判員。テレビの企画にも積極的に参加する。「勉強して何かを掴み取るという経験が少なかったから」当時の心境をそう話すと、「でもやっぱりアナウンサー試験が人生で一番大変でした」と微笑んだ。

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