• 十代の地図帳
  • 青春の記憶に生きるヒントを訊くインタビュー記事

清水 ミチコ さん(タレント)

 清水ミチコさんはタレントである。ものまね芸に始まり、女優、果ては物書きまで、その実績と活動範囲は多岐に渡り、肩書の語源の〝才能〟という文字が実にしっくりとくる。生家に流れるジャズに育まれ、矢野顕子さんへの憧憬が灯した芸能の道——。その充実の轍をコロナ禍、電波越しに訊いた。

幼い頃の思い出は

 岐阜県の高山市で生まれて。そこの駅前に、今も残る一軒のジャズ喫茶があるんですが、その階上の2階から4階が私たちの居住地でした。オーナーだった父は、よくウッドベースを弾いていたのを憶えています。と言っても、お店で生演奏とかをするわけじゃなくて、ただレコードを掛けるだけの店なんですが、それでも、お客さんのリクエストで掛ける、折々のジャズを聴いていると、なんとなくそのときの流行り曲が分かったりしていました。

その頃の遊びの中心は

 近所にいる年下の子どもたちを集めてよく〝ママゴト遊び〟をしていました。小さいときは、とにかくもう異様にママゴトが好きで、小学校の中学年になっても、まだし足りないという感じでしたね(笑い)。ただ、それだと級友にバカにされるので、仕方なしにちっちゃい子の相手をさせられてる風を装っては、誤魔化しながら続けていました。

高学年で心を奪われたのは

 学年が高くなるにつれ、流石にママゴトへの情熱も消えて、立ち代わり現れる『レゴ』などの高度な遊びに次々と夢中になりました。他には、少年・少女漫画も大好きでしたね。少女漫画は『りぼん』、『なかよし』、少年漫画なら、『少年ジャンプ』、『少年マガジン』、『少年サンデー』……、丁度、うちの近所にお好み焼き屋さんがあって、そこに行けば大抵の漫画雑誌は揃っていました。それをみんなでお好み焼きを食べに行きがてら回し読みするっていうのがお決まりの流れで——。それがスゴく楽しみで、いつも心待ちにしていましたね。

小さい頃から活字がお好きだったのですね

 そうですね。今でも、読むのも書くのも大好きで、誰に頼まれなくても、ブログやTwitterで思いの丈を書き綴っています。いまだに好きが止まらないですね。

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