• 十代の地図帳
  • 青春の記憶に生きるヒントを訊くインタビュー記事

清水 ミチコ さん(タレント)

その頃、憧れた世界は

 もうとにかくアイドルに夢中でしたね。その当時、『スター誕生!』という番組があったんです。日本テレビの歌手オーディション番組で、視聴者参加型だったんですよ。自分と一つか二つぐらいしか違わない子たちが、どんどんスターダムの門を開けるのを、中学一年生だった私は熱のこもった視線で見つめていました。桜田淳子さん、山口百恵さん……、華やかに駆け上がる姿に憧れたし、クラスみんなで盛り上がって、応援もして——。

 私自身は、そういうのに参加するつもりはさらさらなかったんですけど、クラスメイトで一人、応募したら葉書が返って来たっていう子がいて、みんなでしきりに興奮しました。でも、その子は結局、一次審査で落ちてしまって。でもやっぱり私は分からなかったですね。なんでそこまでして出たいんだろう、って。なんかそっちの道じゃない、という思いはその頃からありましたね(笑い)。

高校時代はどんな風に

 小さい頃は、うちの店には原則、子どもは立ち入り禁止だったんですけど、高校ぐらいからアルバイトで手伝いを始めて。それが凄く楽しくて、自分に向いていると心底思いました。学校で勉強するよりも働く方が好きだなって。そういう意味では、今まさに学生さんで勉強が苦手で悩んでる方もいると思うんですけど、大人になるとそうやって勉強以外にも沢山の道があるし、楽しい世界も見えてきます。働くのが向いていると実感する機会も意外とあるので、あまり暗く考えない方がいいと思いますよ。

その頃の未来図は

 多分、自分の家を継ぎながら大人になるんだろうなって思っていました。というのも、その頃、実家の経営する店が凄く多かったんです。喫茶店だけで3つ、その他にお弁当屋さんなんかもやっていました。そんな状況だから、自分が継がないわけにいかない、子どもながらそんな風に勝手に思っていて。

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