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野鳥と私たちの暮らし 第20回 世界的に減少が懸念される鳥 カシラダカ

ホオジロ科の鳥たち

 鳥の観察を始めたばかりの人にとって、姿がよく似ていて種類の区別が紛らわしいグループの鳥が、ホオジロ科の鳥です。ホオジロに代表されるこのグループの鳥は、体が小さく、姿が地味で、同じような環境に棲み、似かよった生活をしているからです。その上、この科の多数を占めるホオジロ属は種類数が多く、24種類も日本に生息しています。

 ですが、よく観察してみると、種類ごとに姿に違いがあり、棲んでいる環境や見られる時期などが違っています。多くの種類は、茶色を基調とした地味な姿ですが、雄の場合には頭部の色や模様に種類ごとの特徴があります。

 今回は、このホオジロ科ホオジロ属のカシラダカについて紹介します。

頭の羽を立てる

 カシラダカは、体長15㎝ほど、体重20gほどの小鳥です(写真上:警戒し頭の羽を立てるカシラダ・写真下:頭の羽を伏せた普段のカシラダカ)。繁殖期の雄は頭と頬が黒く、茶褐色に黒班のある姿ですが、雌は体全体が褐色をしています。雄は冬になると雌と同じ茶褐色の姿に変わり、冬には雌雄の区別が難しくなります。夏の繁殖期には昆虫が主食ですが、秋から冬には草の種子を好んで食べ、小さな種子を割るのに適した細長い嘴をしています。

 この鳥の特徴は、驚いたときや興奮した時に頭の羽を立てる習性で、その習性がこの鳥の名(頭高)の由来となっています。

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