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  • 過去に読書と教育の新聞「モルゲン」に掲載された記事からランダムでpickupし紹介。

野鳥と私たちの暮らし 第22回 黄色い大きな嘴の鳥 イカル

木の実や種を割る太い嘴

 イカルは、体長23㎝程の小鳥で、特徴は大きな黄色の嘴です(写真上ずんぐりした体形で、黄色い大きな嘴が特徴のイカル)。体全体が灰色をしており、頭、顔、翼、尾が黒っぽく、翼に白斑があり(写真下:翼の白い模様は、飛んだ時に目立ちます。)、飛んだ時に目立ちます。ずんぐりむっくりした鳥で、雌雄同色です。雄は、「キーコーキー」と聞こえる澄んだ大きな声でさえずりますが、繁殖の時期だけでなく秋から冬でもこの声を聞くことができます。

 種子を食べることに適応したアトリ科の鳥の中で、日本では最も大きな嘴を持った鳥です。この大きな嘴で、ヌルデ、ハゼ、ムクノキなどの硬い実を割り、中の種子を食べますが、繁殖の時期には動物食に変わり、昆虫などで雛を育てます。

落葉広葉樹林を好む鳥

 日本では、北海道、本州、四国、九州で繁殖し、北日本の個体は冬には本州中部以南に移動しますが、それ以外の地域では留鳥です。日本の他、ロシア極東の沿岸州にも生息し、冬には中国南部に渡ります。

 本州中部では標高800m~1200mの山地、北海道では平地で繁殖しますが、落葉広葉樹の林を特に好みます。冬には、農耕地、川原、山地の林でよく見かけますが、市街地の公園でも群れで見かけることがある、比較的身近な鳥です。

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