鈴木 勢將さん(INS&カンパニー株式会社代表取締役社長)

 ただ北海道って、内申点(学校の成績)の割合がすごい高いんですよ。僕は国語、英語、数学、理科、社会の5教科はそこそこできたんだけど、音楽とか実技系の科目が全然ダメで……。10段階評価で2とかを貰ったので、ちょっと普通の公立高校は難しいみたいな感じで。それで遠くの私立に行くことになった。

大越 遠くと言うと東京ですか?

鈴木 いや、遠くと言っても函館ですが、それでも8時間ぐらいかかるんです。そこに一発受験で入って。でも、結局その学校でも馴染まないといい成績貰えないわけで、そこで一瞬、(やっぱり俺はちゃんとした方がいいのではないか?)って考えたんだけど、たまたま私立っていう選択肢があったので、何とかそれに迎合せずに済んだというか。

大越 つまり学校とか家庭とかいう枠の中に入りきらないんですね、感覚的には。

鈴木 そうですね。だから今こういう風になって、僕も今年46になるんですけど、まだ両親が健在なんで、両親と当時の話を――どうすれば良かったのだろうかっていうのはたまに話します。

大越 親としたら、やはり学校に行かせるしか選択肢はないですね。

鈴木 インターネットも当時はなかったですし、凄い田舎だったので、やっぱり他に選択肢がなかった。その意味でいうと、当時……今もそうなのかもしれませんけど、親自身がどれだけの選択肢を用意できるかというのは、結構大きな問題、要素だと思うんですよね。僕の場合、母が唯一出した決断が、その浦幌町って田舎町から外に出すということだった。

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