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  • 過去に読書と教育の新聞「モルゲン」に掲載された記事からランダムでpickupし紹介。

野鳥と私たちの暮らし 第24回 身近な里の鳥 ホオジロ

開けた環境に生息

 ホオジロ(頬白)は全長7㎝、スズメとほぼ同じ大きさの小鳥です(写真上:雄のホオジロ)。喉と目の上の眉班も白いのですが、頬が白いことが特徴であることからこの名がつけられました。雄の頭部は白と黒ですが、雌は全体的に色が淡く、褐色をしていますので(写真下:雌のホオジロ)、雄とは区別できます。

 日本では種子島、屋久島から北海道まで広く分布する鳥です。北海道のものは冬には本州以南に移動しますが、それ以外の地域では留鳥として周年見ることができます。日本の他、朝鮮半島、シベリア南部、中国から沿海地方にかけて分布する東アジアの鳥です。

 スズメ目ホオジロ科ホオジロ属に分類される鳥ですが、このグループの鳥の中では最も身近な鳥で、本州中部では標高1200m以下の開けた林や林縁、農耕地、畑地、河原といった里山や里地の開けた環境に生息します。

 春になると雄は草や木の上にとまりさえずりをはじめます。そのさえずりは、「一筆啓上仕候」とか「源平つつじ白つつじ」と聞きなされ、古くから親しまれてきました。雄は繁殖期にはなわばりを確立し、一夫一妻のつがいとなり子育てをします。

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