• 十代の地図帳
  • 青春の記憶に生きるヒントを訊くインタビュー記事

小市慢太郎さん(俳優)

 俳優・小市慢太郎さん。ドラマ『世にも奇妙な物語』(2015年)、映画『秘密 THE TOP SECRET』……、与えられる役柄を、その世界観や背景にさながら溶けるように演じる名優だ。演じるキャラクターとの抜群のユニゾンを可能にする核はなにか――、十代の軌跡を訊いた。

どんな環境でどのような幼少期を

 大阪の平野区の生まれなんですが、ひとことで言えば凄く田舎で。生家は周囲をぐるりと田んぼで囲まれていて、そのすき間に出来た野池でザリガニ釣りなんかに夢中になっていました。小さい頃から文明や文化、民族に凄く興味がある子どもでね。きっかけは、当時テレビでやっていた『素晴らしい世界旅行』という番組だった。今思い出してもかなりネイティブな民族を紹介する番組で、毎週、ブラウン管に登場する個性豊かな人種、民族の営みに釘付けになっていました。

中高校時代の思い出は

 中学、高校では軟式テニス部に入っていて、それがもう、本当に典型的な体育会系だった。だから6年間の思い出と言えば、ひたすらテニスに打ち込んだことに尽きます。ただ、なぜかははっきりと思い出せないんだけど、とにかく高校を卒業したら芝居をやろう、と思っていて。一つ思い当たるのは、小さい頃、祖父母の家で従兄弟と一緒になったとき、お芝居の発表会のようなことをしていたんです。子供たちが一生懸命に寸劇や歌を歌うのを見ると、大人たちはみんな笑顔で喜んでくれて……。それが原点にあるのかな。

同志社大学に進学されます

 本当は、高校を卒業したら東京に出ようと考えていたんです。でも、両親はさも当たり前のように、「大学へ行け」と言うんですよ。言われてみれば確かに僕も、「どこも受からなかったから東京に行くんだ」と親に思われるのは本意じゃない。そこで、まずは大学を受験してしっかり受かって、そのうえで、「合格はしたけど入学せずに上京したい」と親を説得しようと考えたんですね。

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