• 教育のミライ
  • 各界の識者・教育者が日本教育の未来へ向けて提言する

【教育レポート】「ガザの現実を前に 何が問われているか」

※以下、学生たちの授業の感想を一部掲載

「グループ討論で、私は「一体誰が助けられるのだろうか?」といった意見を出した。罪のない人々の 苦しみが分かるのはその人たちだけである。・・世界中の人たちがこの問題に目を向け、大きな力で 立ち向かわなければならないと思う。人のため、誰かのために動くことはとても体力が必要だ。それで も今すぐに、これから未来を担う私たちが変えてえていかなければならない。そう強く思った。私はこの 現状を伝えるため、近くの友人や(4月から教師になるので)子どもたちや先生にきちんと話す機会を 設けようと思う。さらにインターネットを使って発信していこうと思う。今すぐできることはそれしか思い つかないが、この機会がなければ、自分が生きることに必死で何にも目を向けられなかった。大学在 学中に学ぶことができて本当に良かった。」

「私は子どもたちの言葉や表情が特に印象に残りました。あんなに小さな子どもたちが、今自分の国 ではどんなことが起きて、相手の国にどんなことをされているのか理解してしまっていることにとても胸 が痛くなりました。この子たちが将来大きくなって解決の術として、武力や暴力を選ばないでくれたら いいなと思います。・・・まだ何にも染まっていない子どもたちが戦争というものを体験しているのはとても怖いことだなと思います。」

「イスラエルの中にアラブ系民族とユダヤ系民族が共存している村があることを初めて知った。この 村ではハマスとの軍事衝突のたびに対話を重ねているという。私は正直この状況を脱するためには、 他国からの働きかけがない限り、双方の気がすむまでの軍事衝突はやむを得ないものだと思ってい た。しかし、武力ではなく対話を重ねてこの悲惨な状況を脱しようとしている村があることは、対話で の解決を実現するための大きな希望であるように感じた。」

「小学校の子どもたちがアラブ人、ユダヤ人関係なく学び合っている姿が印象的でした。子どもたち は違う人種(大人が敵対視している)を排除せずに、同じ人間として捉えていました。子どもたちが分 かり合えているのに、なぜ大人たちは分かり合えないのか、すぐに武力で戦おうとするのかと思うと、 大人として恥ずべきことだと感じました。また、高校生たちの対話でのぶつかり合いを見て、考えという ものは変化していくのだと感じました。・・・これまでの歴史や昔からの違う人種に対しての固定観念を どう変えていくのか、また、個々を変えていかないといつまで経っても国同士の対立は変わらないのか なと思いました。」

(月刊MORGENarchives2024)

関連記事一覧