岡部 三知代さん(学芸員)

 当初は、一人だけの主任学芸員だったが、その有用性が評価されて、今では5人にまで増えたという。建築をベースにアートを融合。文化の広がりを一般の人にも広く知ってもらおうとする活動は、今年で10年目に入る。道程は決して簡単ではない。昨年メセナ大賞を受賞するまでは社内での認知度も決して高くはなかった。今後どう活動を広げて行きたいか、そう問いかけると、「未来はやはり子供に託すしかないんです。この十年で震災も経験し、無力感に苛まれることもあるけれど、自然や、人間以外の生き物と共生する、日本本来のオフィスや建築物を作ることで、建築で未来を子供に託すことを表現できれば」情熱を持って地に足をつける。人にとって本当に快適な空間を目指して―未来志向に夢と現実を託し、今日も展示に工夫を凝らす。

「トーヴェ・ヤンソン夏の家展」(2013)おうちづくりワークショゥプにて

おかべ みちよ 1966年東京生まれ。日本女子大学、住居学科卒業。竹中工務店に設計部員として入社。2005年「ギャラリーエークワッド」のオープンで、前年立ち上げ準備から関わる。2014年メセナ大賞を受賞。

(月刊MORGENarchives2015)

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