小橋 康智さん(岡山県立東岡山工業高等学校 司書)

挑戦する図書委員 図書館ラジオで送る広報活動

 本校は創立53年を迎える、機械科・電気科・電子機械科・工業化学科・設備システム科の専門科をもつ工業高校です。「自律・友愛・勤労・合理性」を校訓とし、838名の生徒(女子生徒21名)がものづくり・資格取得・部活動に励んでいます。

 本校の図書館は、図書課の方針で「なんでも読もう。どんどん読もう」をモットーとしています。「なんでも」は、「小説も小説以外もなんでも・ライトノベルでも雑誌でもマンガでもなんでも・もちろん工業専門書も」を意図しています。

 また、卒業後は8割の生徒が就職をするため、生涯の図書館利用者を育成する観点から日常的に「どんどん」読むことも重視しています。学校生活の中でも、学年に応じた図書館利用を促すため、年度当初には各学年に対応した内容の図書館オリエンテーションを行っています。

 昼休みには生徒が仲間同士で来館し、年間貸出冊数はここ数年12000~14000冊を推移しています。PTA役員会でも、保護者の方から「工業高校の男子はやんちゃで本を読まないイメージだが、こんなにも読むとは正直言って意外」と言われます。しかし、多読者が多い半面、25%の生徒は昨年度、一度も図書館で本を借りておらず、利用人数を増やすのが目下の課題です。

 そんな課題を解決すべく、今年の図書委員が提案した企画、その名も「図書館ラジオ」。「動画サイトを参考にしてビデオを撮り、館内放送をする」という図書委員会の広報活動です。①オープニング ②フリートーク ③本紹介 ④おたより紹介 ⑤エンディング のような流れで生徒が収録から編集まで行います。司書としては、図書委員会なら本の紹介をメインに据えてほしいところですが、生徒たちは「ラジオでトークをしたい」という気持ちが強い様子。もっと本の話をしてほしい司書の思いを、生徒の台本に半ば強引にねじ込むこともあります。

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