手登根(たどこん)千津子さん(沖縄県立北部農林高等学校 図書館司書)
多彩な取り組みで読書活動の裾野が広がって
本校は沖縄県名護市にある創立73年の農業高校である。月一の生産物即売会「ゆんたく市場」は、列が出来るほど盛況で地域から親しまれている。図書館は蔵書15301冊、各学科に合わせて選書された本を学科毎にまとめ配架しているのが特色である。運営は司書教諭・学校司書・図書委員が中心になり「思いっきり楽しめる図書館行事」を目標に取り組んでいる。
先生のオススメ本棚の常設&朝の読書活動支援
読書環境づくりとして職員の在職期間、先生方の推薦本を並べ生徒への読書案内として役立てている。また、朝の読書の支援として、本を持参できない生徒のために毎月読み物を用意している。今回、生徒からその読み物をきっかけに夏目漱石の本のリクエストを受けたが、読書に目覚めた感じであった。それ以後、その生徒の読書活動は広がりをみせている。
図書館行事「平和資料展」と授業のコラボ
沖縄県内の学校図書館は、6月23日「慰霊の日」を中心に沖縄戦や平和に関する展示会が開催される。本校でも展示会を開催し、社会科とコラボして、全クラスが見学し学ぶという授業を展開している。この取り組みは3年目になるが、今回は図書委員が「沖縄ヘイト」「フェイクニュース」について考えるパワーポイントを作成し、授業に組み込んだ。学校図書館の役割にメディアリテラシー教育があるが、その実践となったのである。今回、知識を身につけ、事実を受け止めどう対応するべきかを考えた生徒の声を聞くことが出来た。
1 2