吉村 美由紀さん(熊本県立第一高等学校 学校司書)
今年度、一年生の総合探求の授業では、担当教諭と司書で打ち合わせを行い、新書ビブリオバトルを行いました。全員が新書を読んでそれを紹介する取組みを、班ごとの発表からクラス全体へとステップアップする形で行ったところ、思いがけず「面白い」という声が上がり、急遽クラスのチャンプ本の書評合戦を学年全体で行う運びとなりました。全体発表時には、生徒自らが司会や運営を申し出て計画するなど、短い時間の中で積極性が見られたと学年主任も驚かれていました。
また、保険体育のレポート作成の授業では、資料の準備だけでなく、レポートの書き方をレクチャーし、毎朝授業時間中にも生徒たちとのレファレンスを毎年させてもらっています。必要な資料は、その都度他館と相互貸借を行って補充し、生徒に提供します。総合的な探究の時間にも同様のサポートをしています。現在は、一・二年生ともポスターセッションのための調べ学習をしていますが、これらの授業を通じて、図書館で資料を探すあるいは尋ねるということが以前よりも身についてきたように感じます。
- 学校に図書館があるという意味
学習指導要領に「探究」という文言が入りましたが、まさに学校図書館の機能が「探究の方法を学ぶための場所」だと思っています。情報過多の世界を生きていく生徒たちが、資料・情報を自らの手で取捨選択する力を身につけるために、今後も様々な授業やイベントと連携し、学校図書館として尽力していきます。
(月刊MORGENarchives2021)
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