春風亭 一之輔さん(落語家)
師匠にとって落語とは
たまに寄席に入って落語を見て、登場人物たちの鷹揚な様子に、ああこんなにボンヤリした人たちでも生きていけるんだから明日からまた頑張ろう、と心を溶かす。落語ってそんな温泉のような、足湯のようなものだと思います。
新刊『いちのすけのまくら』について少しお話を
週刊朝日の連載コラムをまとめたもので、テーマも落語に限らず、さまざまのお題を、ときに子どを時代も交えて語っています。いまはラジオ、高座、文筆と、3つをやっているんですが、ラジオでしゃべるときはこうして、書く場合はこう、高座では――と、自分のなかで全部つながっているところがある。ぜひ機会があればお手にしていただけたらと思います。
しゅんぷうてい いちのすけ 1978年、千葉県生まれ。2001年、日本大学芸術学部卒業。同年、春風亭一朝に入門、前座名「朝左久」。04年、二ツ目昇進「一之輔」と改名。10年、NHK新人演芸大賞・文化庁芸術祭新人賞を受賞。12年、21人抜きの抜擢で真打昇進。同年および翌13年、国立演芸場花形演芸大賞・大賞を受賞。15年、浅草芸能大賞・新人賞を受賞。寄席を中心にテレビ、ラジオなどでも活躍。著書に『春風亭一之輔の、いちのいちのいち』『春風亭一之輔のおもしろ落語入門』ほか。演目を収録したCDに『芝浜とシバハマ』『今んところ、そのに』などがある。
(月刊MORGENarchives2018)