鎌滝 えりさん(女優)
引きこもりとはまさに真逆の世界、戸惑いは
最初はまともに出来なかったですね。カメラを向けられても、絶対にそっちを向かなかった。もう半泣きでした。カメラマンさんが、「イイね!」と撮ってくれても、一切無視(笑い)。そんな感じで撮影は進んで……。それでも、続けるうち、だんだんと面白いと思うことが増えていって。それが今に繋がっています。
高校でついに復学を
高校は芸能高校に決めました。この仕事に出会って外に出るようになり、そこで芸能高校を知って、入学、という流れです。入学を決めた理由は、仕事に真剣になるほどに、自分には学びが必要だと感じることが多くなったこと、それに、いったん外に出始めると、もっと人が沢山いる環境に身を置きたいと欲も出てきました。そんなふうに思えるようになったのも、この仕事に巡り合えたからで、本当に返す返すも姉に感謝ですね。でも、そんな姉は気分屋で、私をこの世界と出合わせたその一週間後には、「私違うことやる」と風のように辞めてしまったんですけどね(笑い)。
高校はどんな学びを
それまで学んでいなかった分、一気に学びの意欲が弾けて。学校は、従来の公教育にとらわれない自由な校風で、芸能の仕事に関連したリサーチや、背景の読み解きを中心に日夜励みました。級友も皆、多かれ少なかれ似かよった境遇というのもあって、一人ひとりが、自分自身と向き合い、思い思いに努力を重ねていました。そんな姿を見ていると、私も頑張らなきゃ、とまた机の資料に目をさらして……。そんな毎日の中で、だんだん、この仕事を一生のものにする、という決意が固まって行きました。
役者を始められてからは、すっかり外交的に
すべての面でそうというわけではないけど、少なくとも仕事を通じて人前に出るのに抵抗はなくなりましたね。人と話すのは楽しいし、役者として決してまだ長くはないですが、役を通して前に出る分には、違和感は全くない。そういう意味では、本当に一生涯をかけて携わっていきたい仕事に就けたと思います。
仕事をはじめて特に変わったと思う部分は
以前は、人と目を合わせて話すのが凄く苦手だったけど、今はそれが大好きで。あとはとにかくお芝居が好きでたまらなくなりました。