• 十代の地図帳
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依田 司さん(気象予報士)

 依田司さんは気象予報士である。2011年、テレビ朝日、朝の情報番組『グッド! モーニング』のお天気キャスターに就任するや、瞬く間に頭角を現し、人気キャスターに。今年はついにオリコンお天気キャスター人気ランキング第一位を獲得し、乗りに乗る俊英の出発点は、家族で囲んだ茶の間のブラウン管の中にあった。十代の地図を訊ねた。

どんな幼少期を

 小さいときは、いわゆる「自然大好き少年」でしたね。生まれも育ちも東京大田区なんですが、そのころの東京はまだ自然がいっぱいで。家のすぐ隣が多摩川だったので、よく遊びに行きました。夢中で網を振り回して虫を捕まえたり、みんなで河川敷の草むらを走り回ったり……、楽しかったですね。

ほかにどんなことに興味を

 子どものころから、どちらかといえば〝文系″よりは〝理系″が好きで。親にせがんで図鑑を集めたり、買い与えられる本も、学研の「ナントカの秘密」のようなものを手に取る。でも、じゃあ勉強が好きと言われればそうでもない(笑い)。典型的な勉強より外遊び好きな子どもでしたね。

そのころスポーツなどは

 小学校3年生ぐらいから野球をずっとやっていた。クラブチームにも入っていましたね。で、中学に入ると、今度はテニスに熱中するようになった。入部のきっかけは、好きな女の子がテニス部にいたという(笑い)、まあ子どもらしい理由です。それからはずっとテニス一本で。高校もテニス部だったし、大学も体育会のテニス部に入り、一途にラケットを振りました。

そのころの夢は

 ぼくはもう小学校のころから「お天気おじさん」になりたいと思っていて。子どものころ、毎年、依田家の一大イベントで〝海に行く″というのがあったんです。で、やっぱり海に行くとなると天気が気になるわけですよ。それで、子どもながらに旅行前日の夕方は、テレビのお天気情報を食い入るように見つめた。明日晴れるけど、夕方から雨が降るって、お天気おじさんが言ってる――、そう思って海に行くと、実際に日が暮れるころに天気が崩れてくる。本当に当たった、凄いナと感心するんだけど、よくよく考えてみると、そもそもなんで今日のことが昨日分かったんだろう……、と気づく。それってつまり未来のことじゃないですか。お天気おじさんて未来のことが分かるんだ、って子ども心に物凄くトキメいて。その憧れをずっと暖めて、ブレずに来た感じですね。

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