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柄本 佑さん(俳優)

役者の本格的始動はいつ

 役者デビュー後も、1年半は、自分で脚本を書いたり、プロットを練って、映画作りを夢見ていた。それが、高校2年のとき、今の事務所の社長に声を掛けられて。そこからですね。ドンドン役者の道にハマっていった。特別、そこに、細かい計算があったわけじゃない。そのとき楽しいことをこなしていったというのが本音ですね。

早稲田大学芸術学校空間映像科に進みます

 日頃、母から「大学は出ておきなさい」というのを言われていて。で、他に受かっている大学もあるにはあったけど、やっぱり、映像のことがやりたい、というのが頭にあった。映画監督になる、という目標は依然、胸にある。それで結局、大学の方はやめ、改めて映像系の専門学校を探し、早稲田に白羽の矢をたてた、という感じですね。

専科でどんな学びを

 学校は、2年制で、1年次には、写真と映像、二つのカメラを同時に学んでいく。で、2年に上がるとき、写真と映像、どちらかのコースを選ぶんですが、入学当初は、当然、映像だろう、と考えていた。なにしろ映画監督になりたくて入っているわけです。が、よくよく考えると、そのころには、もう仕事でどっぷり撮影現場に出入りしているんですよ。映像を一年学ぶうち、すっかり、仕事と同じことをしてるな、と思うようになった。写真を撮る方が断然面白くなっていたんです。結局、2年に上がるとき選んだのは写真だった。そのときの学びは楽しかったですね。知らないことを知る、というのはやっぱり楽しい。

映画監督の夢は今も

 それはもちろん今でもなりたいですね。どんなものを撮りたいかと聞かれれば、それは中々言葉にはしづらいけれど……。また、簡単に言葉に出来るものなら、撮る意味もないのかな、とも思います。でも、ずっと、胸に抱き続けるものはありますね。

俳優業について少し

 この仕事は基本的に、「開店休業状態」なんてザラです。そうしたときにどうするか。自分を「お店」だとして、どう埃をはたいておくか……。やっぱり、埃の溜まった商品なんて買いたい人いないじゃないですか。そこをいかにキチンと整備して、仕込んでおくか。それが一番大事だな、といつも思います。で、自分の場合、映画好きが高じて、この世界に入っている。映画を見続けるとか、そういったことは仕込みの一つとしてあるのかな、と。だから、休みのときは、大抵、映画館ですね。

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