「野鳥と私たちの暮らし」身近な冬鳥 アトリ

かすみ網で捕獲されかつては焼き鳥に

 アトリは、前回紹介したツグミとともに、かつてはかすみ網で大量に捕獲され、焼き鳥にして食べられていました。渡来直後の山地で群れでいる時期、トヤ場に張ったかすみ網で捕えていました。

 それが1947年以降、かすみ網の使用が法律で禁止されました。禁止後も1970年代ごろまでは密漁が広く行われていましたが、現在ではほとんどなくなりなりました。

 また、私が子供の頃の今から60年ほど前までは、空気銃などでスズメ、ムクドリ、キジバト等の野鳥が捕獲され、食べられていました。

 現在では、かすみ網の使用が禁止されただけでなく、野鳥を捕えること自体が禁止され、野鳥を食べることはほとんど無くなりました。

秋に訪れる冬鳥たち 

 秋の10月から11月には、ツグミやアトリだけでなく多くの冬鳥が次々に日本列島にやってきます。冬を日本で過ごし、春には北に戻ってゆく鳥です。

 今では鳥の渡りの実態が解明され、広く理解されていますが、そうなったのはここ100年ほどのことです。それまでは、毎年決まった時期に姿を見せる鳥はどこからやってくるのかは謎でした。

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