「野鳥と私たちの暮らし」冬の訪れを告げる ジョウビタキ

日本鳥類目録とは

 日本鳥類目録は、日本に生息する鳥類の目録で、日本での各種の生息状況等を日本鳥学会がまとめたものです。1922年に初版が出版され、その後たびたび改定版が出版されて来ています。現在使われているのは、日本鳥学会が創立100周年を迎えたことを記念し2012年に出版された改定第7版で、私が日本鳥学会の会長を務めていたときに纏められました。

 新たな研究の進展により、鳥の分類や学名は変わります。また、鳥の分布や繁殖状況も変化してゆきます。ですので、それらの変化に合わせて改定してゆくことが必要なのです。現在改定第8版に向けて目録検討委員会が設置され、検討が行われています。次の改訂版では、ジョウビタキは冬鳥から繁殖鳥のリストに追加されることでしょう。この鳥類目録は次の改定が行われるまで、図鑑や新聞・雑誌等の出版物、行政資料など日本の鳥についての記載のベースになるものです。

脚注:写真1・2ともに茨城県那珂市在住宮本奈央子氏撮影

なかむら ひろし 1947年長野生まれ。京都大学大学院博士課程修了。理学博士。信州大学教育学部助手、助教授を経て1992年より教授。専門は鳥類生態学。主な研究はカッコウの生態と進化に関する研究、ライチョウの生態に関する研究など。日本鳥学会元会長。2012年に信州大学を退職。名誉教授。現在は一般財団法人「中村浩志国際鳥類研究所」代表理事。著書に『ライチョウを絶滅から守る!』など。

(モルゲンWEB2024)

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