中西 哲夫さん（スポーツジャーナリスト）

その頃サッカーは

　高校時代は愛知ＦＣという、伝統あるサッカーのクラブチームに所属していました。部活としてサッカーをしたのは、唯一、中学校だけですね。ですから経歴を考えると、当時としては、珍しいパターンかもしれませんね。あの頃は、世に出る選手の大半は、高校サッカーで輝きを放つことが多かったので。クラブチームは練習日も少なく、週に３日、火、金、日曜しか練習できません。ですから、後は自分で練習していましたね。

プロのサッカー選手を目指したのはいつごろ

　中学校１年生の時にアメリカに行ったんです。その当時、アメリカには既に、サッカーのプロリーグがありました。日本にはまだないプロのリーグ、勇んで参加したその夏のサッカーキャンプで、このまま頑張れば、プロになれるかもしれないよ、選手にそんな言葉をかけてもらえたんです。気持ちが高揚した僕は、高校を卒業したら、アメリカに戻る。そして大学を卒業し、ここでプロになりたい、そんな夢のプロセスに、一瞬で胸を焦がしました。

高校卒業後は、同志社大学経済学部に進みます

　大学には行かず、サッカーの日本リーグのチームに入る、という選択肢もありました。でも、父から、大学には行ったほうがいい、と強く勧められたんです。いろんな選択肢を残す生き方をして欲しい、父の助言は概ねそんな内容でした。高校からサッカーの道に進むよりは、大学を出てからのほうが、可能性は広がる。ただし、そんなに裕福ではないから、国公立か、私学なら、早稲田、慶応、同志社なら。頷き、言葉に耳を傾けながら、勉強してないから無理だな、と考えていましたね。ただ結果はなんとか合格でしたけど。

語学がとても堪能だとか

　あるとき父が研究で、２年間アメリカに渡る事になったんです。それで僕も１年間の留学を決め、渡米することにして。おかげで日常の英会話は殆んど不自由しなくなりました。ですから、この経験はとても大きかったですね。また、せっかく芽生えた英会話の素養なんだから、続けるべき、と、父の薦めで、高校では英語の学校も通いました。少しでもサッカーの練習をしたい僕は、本当は嫌でしたが、結果として受験にも役立つなど、その後の人生の助けになりましたね。