中西 哲夫さん（スポーツジャーナリスト）

若者にメッセージをお願いします

　先ほども言いましたが、常に楽な道を選択すると、自分の成長の機会を失ってしまいます。どんな人間も壁に当たることはあると思うんですが、それを乗り越えてはじめて成長していけるんです。一旦逃げても、やがて壁は形を変え、再び、目の前にそびえます。逃げてばかりではいつまでたっても成長はできません。同時に、一たび壁を乗り越え、成長する成功体験を得ると、今度はまた、次の壁を乗り越えようとするようになります。僕が夢を暖めた８０年代の頃に比べると、若者が夢より現実を意識せざるを得ないような時代ですが、難しいからといって、最初から、無理だと言い訳を探さないで欲しいんです。例えば僕は本気でＷ杯に日本が優勝できると思っています。そして、そのために自分に何が出来るのか、どこにいれば役に立つのか、それをいつも考えて行動しています。若い皆さんも自分の力を信じて、限界まで頭を使い、できるかぎりの可能性にチャレンジして欲しいと思います。

なかにし　てつお　1969 年愛知県生まれ。同志社大学経済学部卒業後、Jリーグ・名古屋グランパスエイト、川崎フロンターレで活躍。現役引退後はスポーツジャーナリストとして活動し、コメンテーターとしてTBS「サンデーモーニング」、テレビ朝日「Get Sports」などに出演。著書に「魂の叫び　J2聖戦記（共著）、「ベンゲル・ノート」（共著）、「日本代表がW杯で優勝する日」など。（公財）日本サッカー協会・特任理事。

（月刊MORGENarchive2015）