小野 正嗣さん(作家・第152回芥川賞受賞)
若い人達にメッセージを
文学や芸術作品が、読者や、関わる者に居場所をくれることは確かです。ただつい、与えられることが当たり前になりすぎ、うまく受け取ることができなくなってしまうこともあります。大切なのは、ただ読むに終わらないこと、だからこそ、批評する文芸誌、受け取り方を体現する教師の役割は大きいんです。若い人達には、本との出会いももちろんですが、是非、良い先生との出会いを大事にして欲しいと願っています。
おの まさつぐ 1970年大分県生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学。パリ第8大学Ph.D。2001年「水に埋もれる墓」で第12回朝日新人文学賞受賞。02年「にぎやかな湾に背負われた船」で第15回三島由紀夫賞受賞。15年「九年前の祈り」で第152回芥川賞受賞。その他の著作『森のはずれで』『線路と川と母のまじわるところ』『浦からマグノリアの庭へ』『夜よりも大きい』など多数。現在、立教大学文学部文学科文芸・思想専修准教授。
(月刊MORGENarchive2015)