• 十代の地図帳
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前田 司郎さん(劇作家・演出家・俳優・小説家)

その頃の夢は

 芝居の学校に通い、1年間、先輩方と話したり、芝居を見に行くなどしているうち、どうも芝居では食えないらしい、と気付きました。それに実家は工場をしていますから、いずれはこれを継ぐことになるかなぁ、とぼんやり考えていました。

大学時代はどんな目標を

 表向きは、相変わらず実家を継ぐようなそぶりをしていましたが、内心、やはり書く仕事で、という想いが強くなっていました。すると大学3年の頃、CM出演の仕事が舞い込んだんです。これは意外といけるんじゃないか、そう思う間も無く、今度はドラマのシナリオの話も入って来ました。芝居のシナリオは大学に入り『五反田団』という劇団を立ち上げる以前から既に書いていたんです。劇団は、ただで借りられる教室を劇場に、端に寄せた机を舞台にして始めました。当初は学内の学生ばかりだった客席も、その奇抜さも幸いしてか、徐々に話題を呼び始め、様々な方々が見に来るようになりました。

これからどんな仕事をしてみたいでしょう

 全部ずっとやっていきたいですね。長く続けていくことが大事だと思っているので。今はそれぞれの仕事が相互作用で良い影響を与え合っているような実感もありますが、同時に一つに打ち込み続けることで生まれる深みが出せていない、というジレンマもあるんです。どこかの段階で何かひとつに絞ってやっていくことが必要になるかもしれないですね。

新作『口から入って尻から出るならば、口から出る言葉は』について聞かせてください

 ここ6年で発表したエッセイ、コラムから数点まとめた自身初のエッセイ集です。テーマを決めずに気ままに書いたコラムも多数収録していて楽しんでいただければと思います。

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