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前田 司郎さん(劇作家・演出家・俳優・小説家)

今の若者にメッセージを

 高校生と仕事することもありますが、メディアの喧伝する〝世代間の断絶″というほどの違いは、自分たちの若い頃との違いは無いと思います。ネットから流れる情報をフラットに見れる分、平均化する思考の世代というイメージですね。でもそれは全然悪いことではなくて、ただ物心つく時期から情報に押し流され、取捨選択の概念は薄いかもしれないですね。僕の世代は、ポケベルからスマホまでの変遷を見てきているので、その辺りは、客観視できるところがあるんです。自ら情報の海から意思を持って掬い取って見たら、何か面白いものができるかもしれない、そんなことを感じています。

まえだ しろう 1977年東京生まれ。劇作家、演出家、俳優、小説家。劇団「五反田団」主宰。97年、劇団「五反田団」を旗揚げ。2004年「家が遠い」で京都芸術センター舞台芸術賞受賞。05年『愛でもない青春でもない旅立たない』で小説家デビュー。07年、小説『グレート生活アドベンチャー』が芥川賞候補となる。08年、戯曲「生きてるものはいないのか」で岸田國士戯曲賞受賞。09年、小説『夏の水の半魚人』が三島由紀夫賞受賞。近年はTV・映画のシナリオや演出も手がけ、15年、「徒歩7分」が向田邦子賞受賞。近著に『私たちは塩を減らそう』(キノブックス)、『ジ、エクストリーム、スキヤキ』(集英社)、『濡れた太陽』(朝日新聞出版)他、著書多数。

(月刊MORGENarchive2015)

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