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奥寺 康彦さん(横浜FC取締役会長)

帰国後はJリーグ立ち上げや、サッカーの学校の校長に

 もうサッカーの学校は10年になるんです。ドイツにいた時に、ユースの高校生と話す機会があったんですよ。彼らは将来プロになるためにその株組織にいるわけだけど、プロになるのは大変なことで、なれない場合だってある、と考えてそのために仕事を得られるような勉強や大学進学するための準備をしているんです。彼らはプロと仕事と二つの目標を同時に考えているんですよ。僕はその頃どうしていたんだろう、と考えたときにサッカーばかりやっていて他のことは何も考えなかったことを酷く反省したんです。たまたま人の紹介で恵まれた会社に入ることができただけで、サッカーしかやってこない人間がその道に入れなかったらどうなるだろう、と考えたんですね。これから日本はプロもできてサッカーのプロを目指す子どもたちが増えるわけで、その子たちが二つの目標を持てるような学校を作りたいと考えていたんです。そのことを星槎の宮澤保夫会長に話と是非作ろうということになったんですよ。

学校は全寮制ですね

 通学でもいいんだけど、僕は是非寮に入ってほしいと思っているんですよ。いまは核家族で集団生活になれていないし、何よりもみんなで生活することで、そのなかの社会のルールも出来るし、自分がみんなとどう接すればいいのか、も考えるしね、それがサッカー選手としても社会人としても役立つことなんですよね。勿論サッカーをしながらここでいろんな経験をして、社会に役立つような人間に育ってほしいと思っているんですよ。外国の選手は本当に社会的な意識が高いですからね、日本もこれからですから頑張りますよ。

おくでら やすひこ 2000年奥寺スポーツアカデミー校長就任。1952年、秋田県出身。1970年、古河電工でデビュー。1977~ 86年、日本人初のプロサッ力ー選手として旧西ドイツー部リーグでプレー。現役引退後は、ジェフユナイテッド市原GM、監督等を歴任。

(月刊MORGENarchive2010)

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