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矢野 喬子さん(元全日本女子サッカー代表、サッカー指導者)

 2011年、FIFA女子ワールドカップドイツ大会決勝、熱戦を制した日本女子サッカー代表「なでしこジャパン」の歓喜の輪の中にその人の姿があった。元全日本女子サッカー代表・矢野喬子さん。直前の怪我で、試合に出られない悔しさを表に出すことなく、最後まで献身的にチームを支え続けた。2013年に現役引退後は、まだまだ少ない女子サッカーの裾野を広げようと、後進の育成に当たっている。先駆者の十代を訊いた。

神奈川のお生まれですね

 私が小さい頃は、まだ女子サッカーはマイナースポーツで。でも神奈川には当時から女子だけのクラブチームが数多くあったんです。今現役で活躍する選手の中にも、神奈川出身は多いんですよ。

いつ頃からサッカーを

 幼稚園の年長組から。5つ上の兄の応援で、サッカーを見たのがきっかけです。もともと運動神経は良い方で物心ついた時には、かけっこで男の子に負けた記憶はなかったですね。入部したクラブは男の子のサッカーチーム。女の子の参加者は当然のように私だけ。いつも周りに、どうして女の子が、という視線を感じていましたね。

逆境の中、続いた訳は

 やっぱり好きだった、というのが大きかったと思います。6年間、男の子の中で一人。女子だからという理由で大会にも出られない。辞めたいと感じることもありましたが、小学校を卒業する頃に、女子だけのチームがある、と友達が教えてくれて。女の子だけで集まってサッカーができると思うと、また気持ちが盛り上がって。

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