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谷川 俊太郎さん(詩人)

1972年刊行のエッセイ集「散文」が復刊されます

 だいぶ昔の作品になりますね。処女作もそうですが、自分では余り評価していない初期の作品をこうして沢山の人が読んでくれるというのは、驚きもありますがやはり嬉しいですね。

先生は「疑う」ということを長年のテーマとされていますね

 そもそも言葉自体に疑念を持って書いてきましたからね。詩にも言葉にも疑問を持っています。現代は「疑う」というとマイナスの価値になってしまっているようなところがありますが、これはとても大事なことです。信じるということや、なんでも言葉に出すことが必要以上に持ち上げられていて、無口や沈黙の価値が忘れられているような風潮がありますね。疑うことのエネルギーと、読者を楽しませ、感動させたいというおもいと責任感を信念に、いつも作品を執筆しているんですよ。

たにかわ しゅんたろう 1931年東京生まれ。1952年処女詩集『二十億光年の孤独』を刊行。62年「月火水木金土日の歌」で第4回日本レコード大賞作詞賞。75年『マザー・グースの歌』で日本翻訳文化賞、82年『日々の地図』で第34回読売文学賞、93年『世間知ラズ』で第1回萩原朔太郎賞。2010年『トロムソコラージュ』で第1回鮎川信夫賞など、受賞・著作多数。詩集、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表している。

(月刊MORGENarchive2013)

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