『英語で味わうシェイクスピアの世界』
ステュウット・ヴァーナム=アットキン/英文 とよざき ようこ/訳
ジャパンタイムズ/刊
定価2,090円
言葉には深い意味が隠されていることに気付く
Laterという単語は英語授業の終わりに必ず使ってきました。See you later.というとまた次の授業でということになりますが、Romeoの愛情を確かめるシーンでJulietが使うlaterは「私のことを愛しているのなら、今日のうちに、すぐにまた会える」ことを強調する意味で使用しています。アメリカ英語とイギリス英語では時間の差や心情の違いを感じさせられました。
また、唇を重ねるという表現でkissを使わずにmeetという単語を使います。中の悪い両家だけれど愛する二人が出会えたその時が、喜びに満ち溢れているということがこのmeetから感じ取れます。
私は多読で英語の本を読んできました。これからは意味の分かる単語であっても、文脈で疑問を感じた時などは積極的に意味を詳しく調べて使える自然な英語を目指したいと思いました。
このお話をより深く知るために巻末にある映画リストを利用しました。1968年に上映されたオリビア・ハッセー主演の『ロミオとジュリエット』を観ました。CGのない時代の映画ですが、リアルで現在のものより色彩が豊かに感じたので演技が心に響きました。お話の全体像が把握でき、そして何度も何度も対訳を助けに英語で読みました。本で読むロミオとジュリエットは自分で想像を膨らませて本の世界に入り込んでしまいました。読んでいるうちに主人公Julietの気持ちになってしまい、何でもないときにRomeoのことを考えていたり思い焦がれていたりする自分に気づきました。4百年以上もたっているのに今読んでいる人たちを魅了するシェイクスピアのこの本には力があると思いました。
(評・明星中学高等学校中学三年 仲田 陽香)
(月刊MORGENarchive2015)