『オオカミがいないと、なぜウサギが滅びるのか』

山田 健/著
集英社インターナショナル/刊
定価1,400円

生態系ピラミッドのすべての命の基盤

 この本を読み、「生態系ピラミッド」は、日本、そして世界の未来に大きく関わっているということを知りました。

 タイトルを見た時、難しそうと感じ内容をしっかり理解することが出来るだろうかと不安に思いました。時間をかけてじっくり読まなければ内容理解しながら読めないかなと考えました。

 しかし、いざ読み始めてみると挿絵や写真が所々にあり、とても分かりやすく、スラスラと読み進むことが出来ました。未来にも関わってくる内容なので、興味もそそられてとても読みやすい作品でした。

 第一章、第二章で題名になっている「オオカミがいなくなると、なぜウサギが滅びるのか」のような、生態系ピラミッドが関係する問題について書かれています。

 それをうけ、第三章、第四章では今の日本の森の状況、そして身近な環境に生物多様性を取り戻すためになにが出来るか、について大きいテーマから小さいテーマまで書かれています。

 あとがきのところに、「千里の道も一歩から」という言葉があります。この言葉の意味は「どんな大業でも、先ず手近なところから着実に努力を重ねていけば成功する」というものです。まさにその通りだと思います。一人一人が、生態系ピラミッドのすべての命の基盤である「土壌」を守り、「持続可能な文化」を作り上げれば未来はきっと良くなると思います。

 今の私に出来ることは何があるだろう。小さなことから、未来のため、生物多様性を取り戻すためやっていこうと思いました。

(評・京華女子中学高等学校高校2年 田中 陽菜)

(月刊MORGENarchive2015)

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