「わたしのマンスリー日記」第14回 それでも人はなぜ生きる!?

この日の締めくくりは会場を変えて、吉澤さんと参加した「夜楽(やがく)」(19:00~21:00)でした。これは昼間にお世話になった講師の先生と参加者同士とのエンジン01inカッレジ恒例の親睦交流会のことです。私たち2人は谷川さんと同じイタリアン料理の会場の「夜楽」に参加しました。この会場では谷川さん夫妻の他に昼間の司会者の岡田直也さん、直木賞作家の桜木紫乃さんおよび参加者数名と交流できました。この会で一番印象に残ったのは奥様の最後の挨拶です。
「谷川とはALSになってからお互いに助け合って何とかここまでやって来ました。日常的にはコミュニケーションをとるのに互いにどうしても感情が先んじて戸惑うことがあります。私が谷川を誇りに思っていることはALSにかかってから1度も何で俺がという愚痴を聞いたことがないことです。多分相当抑えているところもあると思いますが……。もう一つ誇りに思っていることは24時間介護している中、今も看護専門学校の講師を継続させてくれていることです。やはり私のストレス発散にもなるし、その日にあった外部の様子を谷川も聞きたいということで続けております」
この話を聞いて私はグッときました。会場の皆さんも同じ思いになったと思います。「こういう夫婦でやっておりますが、これからもどうぞよろしくお願いします」という言葉で挨拶は締めくくられました。
谷川さんと奥様との飾らない夫婦愛の姿を見せてもらってさわやかな気持ちで帰路につきました。谷川さんはストレッチャーに揺られて奥様と一緒に介護タクシーで帰路につきました。
多分これまでの準備も含めてやり切ったという充実感と肉体的に精神的にも相当疲れが蓄積していると思います。2月1日から2週間、定期検査で入院するとのことでした。充分この間の心身の疲労を取って、体調を整えて退院し、また執筆活動を継続していってほしいものです。
(2024年2月10日)
 
 稲村さんは私の最大の支援者と言える友人で、私の発信に欠かさず長い返信をいただいています。今回も長文でしたので一部を割愛させていただきました。悪しからずご了承ください。

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