「わたしのマンスリー日記」第17回 「死なないでください!」

【山口→谷川(2/4.10:17)】
谷川彰英 先生

こんにちは。鹿児島市で小学校の教頭をしております山口小百合です。何に悩んでいるのか、先生にお話したいのですが、整理がつかないでいるところです。
実は、教頭を辞するかどうかを悩んでいます。自分には向いていないことを痛感しています。業務量の多さよりも、学校内外のいろんな人のいろんな考えを受け止める立場であることがメンタルに影響しています。毎日、人知れずがんばってはいても、思いやりをもって動いていても,理不尽なことが重なると悲しくなります。過去には暴言や無視、勝手な思い込みによる誹謗中傷など、心折れる出来事もありました。業務改善や授業改善など組織的な取組をもっと進めたいのですが、教頭としてうまく立ち回れず、自責の念に苛まれ続けています。
今の学校には貴重な宝物があるのです。30年前に、PTAが作った郷土資料室です。寄付金や農具を3年間かけて集めて、創立100周年記念事業としてつくられたものです。
ちょうど鹿児島8・6水害の時です。埋もれて掘り起こした農具もあります。水害でシラス大地が流されて、2万2000年前の炭化木が出てきました。
収められている農具の数も多く、昔の農家の居間も再現されており、学校がこのような資料館並みの規模の資料室を有していること自体、特有で貴重だと思います。
しかし、残念ながら、長い間、物置になっていました。「ふるさとの館」を復活、再生したいという地域の方々の願いと民具や歴史が好きな私とが、運命的に出会いました。
ふるさとの館を悲願として、地域の方々と立ち上がったのです。今年が創立130周年なので、この記念事業として取り組もう! 今、自分たちがやらなければ、この先誰もやらないし、郷土の宝を失ってしまうとの思いです。しかし、周年事業への思いには温度差があり、全員でビジョンを共有し、合意形成していくのは大変なことでした。
コロナ禍であらゆる活動がなかったことからくる負担感や、業務改善で学校職員と保護者と地域が直接話し合う時間をもてないことなど、難しい状況がありました。
たくさんの人々が協力し合って取り組み、子どもたちや地域住民など多くの方に楽しんでもらうことができましたが、もやもやを残してしまいました。

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