「わたしのマンスリー日記」第2回 思春期の悩みは通り過ぎていく!
私のメッセージは「とにかく生きろ! 死んではダメだ!」ということに尽きるのですが、それに率直に応えてくれた友達も何人かいます。
○でも谷川先生が感じる恐怖はまだ私が分からないくらい大きいと思います。だからこそ「とにかく生きろ」という言葉がとても大きく私の心に残りました。
〇思春期の私にとって「とにかく生きろ!!死んではだめだ!!」という言葉がすごく印象的で、死んだらすべてが終わってしまうから今を一生けんめい生きようと思います。どんなにつらいことがあっても「死ぬ」という選択をなくして「生きる」ことを頭に入れながら生活したいです。
誰でも長い一生の間には一度や二度は死にたいという思いに襲われることはあります。ALSを宣告された時私も死を意識しました。私の本を読んだある小学校の先生からは、隕石(いんせき、空から落ちてくる石)が自分にだけ落ちてくればいいと考えたことがあるとの感想を送っていただきました。そこには海に足を運んで沈もうと思ったこともあるとも書かれていました。
死にたいと思ってしまうことは仕方ありません。しかし死んではダメです! 絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対にダメです。それは、あなたがたはそれぞれ両親を始め多くの人たちから望まれて生まれてきた存在だからです。皆さんにはその期待に応える義務があります。
今年の夏、衝撃的な忘れられない事件が起きました。埼玉県の中3の女子生徒が渋谷で行きずりの親子(お母さんと娘さん)を刺したという事件でした。この事件は私にとってはロシアによるウクライナ侵攻に勝るとも劣らないショッキングな出来事でした。
それは警察の聴取で彼女が「死刑になりたかったから刺した」と話したとニュースで知ったからです。その言葉を聞いた時一瞬耳を疑いましたが、それが真実であることを知り言葉を失いました。罪を責めるのは簡単です。しかし一番重要なのは、何が彼女をそこまで追い詰めたかです。くわしい事情はわかりませんが余りにも残酷です。
何かに悩み苦しみながら自ら命を絶とうとしたけどできなかったので「死刑になりたい」と考えたとしたら、彼女を責める前に彼女を取り巻く環境を責めるべきです。このような悲劇が起こるのは私たちの社会に何らかのひずみ・問題があるからです