「わたしのマンスリー日記」第7・8回「生活科魂」――三つの心
パーティー席上、田村さんが思いがけない人を紹介してくれました。私が中教審の専門部会の座長を務めていた時の担当課長だった常盤豊さんでした。今は多摩美術大学の理事をされているとのことですが、多分20年振りくらいの再会でした。私は生活科・総合的学習の時間分科会の座長を務めていたのですが、総合的な学習の時間について紛糾していた問題について座長としての見解を直接席上で伝えたところ、常盤さんは真摯に受け止めてくれ即刻対応してくれたのです。
この判断がその後の総合的な学習の時間の活路を開いたと野田さんは言ってくれましたが、多分それは間違いないと思います。その判断とは何だったのか? それについては記憶を正して改めて書こうと思います。
今回の記事には当日の写真を何枚か添付します。その中に私を含めて4人が写っている写真があるはずです。私を囲むように3名の先生が写っています。個人的にこのフォーショットの写真をどうしても撮っておきたかった。
向かって一番左は今神奈川大会会長の吉田豊香さん、中央は学会新会長の田村学さん、右手は学会の常任理事を務めてこられた石井真澄さん。私を除けば皆素敵な笑顔ですね(笑)。実は石井さんとは初対面! というよりも、今回の神奈川訪問の目的の一つが石井真澄という先生に会うことだったのです。
出会いは2年前。『日本列島 地名の謎を解く』(東京書籍、2021年)という本を送ったところ、本書に掲載されていた「姫島」(大分県)の記事が当時大分市立半田小学校で6学年を担任していた石井先生の目にとまり、それがきっかけとなって奇跡とも言うべき命の交流が生まれました。その詳細は『夢はつながる できることは必ずある!-ALSに勝つ!』(東京書籍、2022年)に書きましたが、感動の涙で綴った著作になりました。
石井さんは「初めて会った気がしない」と何度も言ってくれましたが、私も同じ思いでした。神奈川大会のキーコンセプトは「つながり」! つながりに感謝、ありがとう! 心を込めて――。
谷川 彰英 たにかわ あきひで 1945年長野県松本市生まれ。作家。教育学者。筑波大学名誉教授。柳田国男研究で博士(教育学)の学位を取得。千葉大学助教授を経て筑波大学教授。国立大学の法人化に伴って筑波大学理事・副学長に就任。退職後は自由な地名作家として数多くの地名本を出版。2018年2月体調を崩し翌19年5月難病のALSと診断される。だが難病に負けじと執筆活動を継続。ALS宣告後の著作に『ALSを生きる いつでも夢を追いかけていた』(2020年)『日本列島 地名の謎を解く』(2021年)『夢はつながる できることは必ずある!-ALSに勝つ!』(いずれも東京書籍刊)がある。
(モルゲンWEB2023)