「わたしのマンスリー日記」 第4回 「栗山監督の二刀流魂—WBC栄冠獲得の秘密」
栗山監督のすごさ
今回のWBCでは大谷選手、村上選手、ヌートバー選手らが特に目立った形になりましたが、全員が一丸となって王者奪還を目指して戦って得た栄冠でした。まず栗山監督が選んだという侍ジャパンのメンバーを見て「これはすごいメンバーだな」と思いました。
正直に言うと私はALSに倒れてから4年間一度も日本のプロ野球を観たことがありませんでした。だから選ばれた選手たちの名前もよくわかりませんでした。私の記憶にあったのは三冠王を取ったばかりの村上選手、大して条件が良くないにも関わらずロッテに来てくれた佐々木郎希投手(実は私たち家族は千葉ロッテマリーンズのファンなのです!)、巨人の4番の岡本選手くらいであとの若い選手は所属球団名すらわかりませんでした。これはすべて難病のALSとの闘病によるものでお許しください。
WBC前の練習試合で若手投手の投球を見て驚きました。球速にしてもコントロールにしても、変化球の切れも抜群のものがありました。これはメジャーリーガーでもそう簡単に打ち崩せないな――そう確信しました。
今回のWBCの栄冠を獲得できたのはひとえに栗山監督の選手を選ぶ優れた眼力と適切な采配によるものでした。その優れた眼力と適切な采配が何に由来するのか、それを私の経験から述べてみましょう。本題はこれからですよ!
栗山監督との出会い
栗山監督とは昔1度だけですがNHKのテレビ番組で共演したことがあります。もう30数年も前のことです。栗山監督は現在61歳だそうですから多分20代後半でヤクルトで活躍していたはずです。
今も同種の番組が続いているかは知りませんが、当時7月の下旬の夏休みに入ったばかりの頃小中学生向けの「夏休み自由研究相談」というような番組(正確な番組名は忘れました)を毎年行っていました。子どもたちの取り組む自由研究のテーマは教科で言えば理科系と社会科系のものが圧倒的に多く、その他は図工など少数でした。相談日は4、5日続き一応この日は理科系の質問の日、この日は社会科系と伝えてあったとしても、子どもたちの旺盛な興味・関心はそんなことにお構いなくどしどし質問を投げかけてきます。