青い海と空のみちのく八戸から・波動はるかに 第3回 ビギン ザギン 「六月の田園」
あの寒さや雪が幻だったかのように、八戸の春そして初夏の色彩は素晴らしい。我らの庭の根城城址公園の枝垂れ桜吹雪から、家々のお庭、道路脇、駐車場いたるところに水仙やチュウリップが揺れ、タンポポの絨毯、アヤメや花菖蒲、今は躑躅が白く紅くポッポッと星のように日々開花している。
そんな薫風に押されながら新幹線は東京に到着。駅を降りると、人・人・人の波、有楽町から銀座4丁目を目指す。ブランドビルに外国客が列を成し、歩行者天国は人々の波でうねっている。足はふらつき、その間を泳ぐように歩みながら、『教文館』の看板が見えた時は、家に帰ったようにほっとした。
昨年2月に「ハル君の虹 / カメルーン日本 愛と希望のリレイ」画家佐藤泰生原画展×著者上斗米正子トークライブを教文館で初めて開催していただいてから1年4ヵ月・・・船橋、比企郡小川町、府中など図書館関係で、新しい方々や読み聞かせさんたちとワークショップ、八戸市美術館での多言語イベント、第52回デーリー東北賞受賞、「多言語のある日々 波動はるかに」出版(遊行社刊)、八戸市移居、一般財団法人言語交流研究所本部退職と激動の日々、昨年初には、この一つも私の脳裏にはなかった。教文館に集った皆さんのコラソン(心)とことばの潮流がどんどん大きくなって、この春青森県八戸市に、多世代×多文化×多言語交流館『みらいえchez Kamitomai』が生まれた。こうして東京・銀座『教文館』に再び帰ってくることができたことに心からの感謝を皆様に伝えたい。