青い海と空のみちのく八戸から・波動はるかに 第5回 極彩色と青。八戸三社大祭から。

 みちのく八戸の海と空が溶けあってどこまでも青が続く。鮫や種差海岸から太平洋を望むと「ここは日本のハワイだね」と東京や横浜からやってきた仲間たちが歓声をあげる。その青に雲丹、烏賊、帆立、鮑、海鞘(ほや)、海老、鯖、鮪、馬刺、西瓜、玉蜀黍(獄きみ)、茄子、枝豆などなど、海の幸、山の幸取れたての色彩が重なる。そこに三神社の厳かなお神輿行列と各氏子の絢爛豪華な山車が繰り出す『三社大祭』が始まると八戸市全体が熱を帯び極彩色に染まる。「や~れや~れ」「よいさ~よいさ~」のかけ声とともに、大太鼓・小太鼓、笛、お囃子にあわせて、幼子から老若男女が市・県内外、海外からもかけ参じ、今夏7月31日~8月4日の5日間に115万人が集い、歓喜と祈りの祝祭が繰り広げられた。

 八戸『三社大祭』は、1720年八戸市が凶作に見舞われ、苦しんだ市民有志が、おがみ神社(法霊大明神)に天候回復と豊作を祈願したところ祈りが届いて、翌年1721年(享保6年)、その御礼に御神輿行列を成して、長者山新羅神社に渡御したことが始まりと言われている。明治になって新羅神社と神明宮の三神社の神事になり、それに各氏子附祭(つけまつり)の山車運行が加わり、更に郷土伝統芸能のお神楽、虎舞、手踊り、笹の葉踊り、華屋台なども構成され、市内全域×多世代×多芸能の八戸市最大の夏まつりとなっていった。

 八戸に移居して半年、横浜の仲間たちが三社大祭を目がけて来八すると、隣人の計らいで思いがけなく目抜き通りに特等席をご用意いただき、彼らと共にお通りを堪能させていただくことになった。沿道は人で埋め尽くされ、幼少のころから馴染んでいる夏祭りにもかかわらず、なんだか初めて観るような鼓動で、行列を待つ。

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