「こころの病も心身一如の自然治癒力」―季節性うつ病から双極性障害を自ら体験して― 第3回「アンチエイジング医学の核心」

自然治癒力を定義する

 自然治癒力に対する私の持論は、『バクテリアの自然発生像を観察して』(日本医学会報No1日本医学(民間)学会・編)の生命力と赤血球の項から少し長くなりますが引用させてもらいます。

「私は、生命力とは、免疫力と自然治癒力とが合わさったものであると解釈している。免疫力とは敵から体を守る力で「抵抗力」あるいは「防衛力」ともいう。自然治癒力とは、自然との調和した状態に戻ろうとする力――すなわち回復力ともいう。この二つが合わさり、生命力を生むのである。免疫力の最強部隊は小腸に配置されている。小腸粘膜には、ビロードの絨毯を敷き詰めたように、植物の根毛に該当する絨毛が被っている。この絨毛と絨毛のところどころに谷間、いわば空き地があってリンパ球の集団が存在する。とくに小腸下部の回腸に多い。

 この谷間を発見者の名前をとって、バイエル板と呼ぶが、ここにリンパ球B細胞が存在する。これはいわゆる交通課のおまわりさん役で、腸内に飛び込んでくる異物という交通違反者を、すべて取り調べて、つぎつぎと抗体という違反切符を切って、無害化している。これを専門用語で「抗原抗体反応」と呼ぶが、体全体のリンパ装置のうち、70%が小腸に存在している。まさに防衛庁腸管である。風邪の原因も腸内環境に端を発するとされているから、感冒腸管も兼務しているといえる。

 千島学説の第五原理は、「腸管造血説」である。私達が毎日食べている食物が、腸の絨毛において食物モネラという新しい生物となり、赤血球へと変化すると説く。定説の骨髄造血説とは異なる新説である。さらに、千島学説の第一原理の赤血球分化説は、赤血球一元論で、これも定説には著しく異なる説である。定説の赤血球は、老化した細胞で,酸素、栄養素、ビタミン、ミネラル、ホルモンなどを生体に供給し、二酸化炭素など老廃物を排遣する運搬役に過ぎない。医科大学の教科書でも、いまだにそう記述されている。

関連記事一覧