「こころの病も心身一如の自然治癒力」―季節性うつ病から双極性障害を自ら体験して― 第5回 「ストレスで胃潰蕩に――自然療法と祈りの力」

 じつは、私も、胃・十二指腸潰蕩で自宅療養中に、それを体験しています。

 そのころ習っていた 「意識的に長い呼吸法」をやっている最中に、ファーッとめまいのような症状が出て、仰向けにひっくり返ったのですが、このときとっさに「祈り」 の言葉が出てきました。壁に飾ってあった養父と実父の遺影に向けて、次のような「お願いの祈り」を繰り返していたのです。

「私のご先祖さま、私が医師としてやらなければならないことがまだあるのなら、どうかお力をお貸しください」

 医師としての判断を超えて、このままだとまずい、再起不能になってしまうかもしれないと思い、必死で 「祈り」ました。 とっさのことでしたが、おそらく私の人生の中でこんなに真剣に祈ったことはなかったと思います。これが、私にとっての本当の 「祈り」――真剣な「祈り」 の初体験でした。意識してではなかったのですが、「祈り」の効果に期待した始めての経験でもありました。するとどうでしょう。倒れた急場をなんとかしのいで再起できただけでなく、この日を境に、長年苦しんできた胃と十二指腸潰蕩の持病がどんどん快方に向かい、それから 10日も経たずに、あれほどしつこかった胃痛も感じなくなってしまったのです。これは恐らく、「祈り」が私に備わっている本来の自然治癒力を発動させたにちがいありません。本当にありがたいことでした。』

――つづく

小松 健治  こまつ けんじ 1944年広島県呉市生まれ。島根県江津市桜江町川越育ち。順天堂大学医学部を卒業後、島根県益田日赤病院胸部外科部長を経て、現在、人間に完璧に備わっている「自然治癒力」・免疫力を尊重し、日常生活即医学ととらえた自助療法を主体とした「あうん健康庵」庵主、総合診療医。実証主義に基づき「生血液細胞・栄養分析法」(Live Blood Analysis、LBA)を用いて「千島学説」の実証に努める一方、血液循環療法やオルゴン療法の効果に注目、その医学的解明にも取り組んでいる。 著書・論文に『最後の療法』(越野稔との共著、幻冬舎)、『医者が学んだ祈りの力』(幻冬舎)、「革新の体液循環論」(『血液と循環』第7号、血液循環療法協会)、「『自然栽培』と『自然医療』の共生を目指して」(『螺旋』16号、千島学説研究会編)など。

(モルゲンWEB2024)

関連記事一覧