青い海と空のみちのく八戸から・波動はるかに 第5回 極彩色と青。八戸三社大祭から。

 3時間に及ぶお通りがはねて、我々はみろく横丁に繰り出した。大祭の興奮からか、お店の人、観光客(パリからも!)皆の会話が弾む。横浜からの一人が「八戸は祭りも海も食も素晴らしいけど、市民みんなの声のかけ合いがすごい。人が優しい、あったかい。人の幸最高だね」と。

 三社大祭のさんざめきから世界を想う。歴史を誇る煌めくパリ市内で繰り広げられている「開かれたオリンピック・パラリンピック」はナショナリズムの競争ではなく、融合と和平の祭典であれ。甲子園球場から高校球児激闘の純潔の歓声、ノウモア!ヒロシマ・ナガサキの叫びは誰に、何処に届く?ロシア、ウクライナ、中東では戦闘が激化し、日々尊い命が消えている。世界のいたるところで気温が沸騰し、地球が悲鳴を挙げて泣いている。

 三社大祭の余韻から、人々の祈りの源流に立って、人間が生きることはとてもシンプルのではないか、『ことばをかけ合う』『欲張らない』『分け合う』ことかと。八戸の海と空の透明な青が、混乱や加熱の極彩色を鎮めて、つかぬ間も、世界の人々の心に沁み入って、シンプルな祈りが宿ったりしたらいいなと願う。

かみとまい まさこ 榊原陽氏(多言語活動提唱者)の言語研究・実践団体に1973年より参加。1981年言語交流研究所設立時より国内・海外で多言語活動、青少年~多世代のホームステイ国際交流、高校生交換留学の派遣・受け入れを推進。一般財団法人言語交流研究所新プロジェクト部長。ヒッポファミリークラブ研究員・フェロウ。多言語活動・国際交流、「ハルくんの虹」をテーマにワークショップ・講演講師多数。著作者、水墨画家としても活動、著書に『多言語のある日々 波動はるかに』(遊行社刊)がある。2023 年 12月15日第52回「デーリー東北賞」受賞。

(モルゲンWEB2024)

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