「わたしのマンスリー日記」第20回 どんな難病でも私たちは諦めない!(その2)さかもと未明さんとの対談SP
【谷川】すごい! すごい! すっかりパリジェンヌになり切っての活躍ですね。難病を押してそこまでの活動ができるというのは驚異です。若いということもあるでしょうが、それ以上に医師のご主人のサポートがあってのことですね。
【未明】本当に主人には感謝しています。主人のサポートがなければここまでやってこられませんでした。先生も奥様のサポートあってのことでしょうね。
【谷川】とにかく私の場合は身動き一つ取れない状態ですので、妻への負担は想像以上だと思います。でも自分には何もできない。悔しいですよ。ALSを宣告されて6年目に入りましたが、その間1日も欠かさず本の原稿のことだけ考えて生きてきました。見方を変えればこんな贅沢はないわけで、発声できないために意思疎通できずケンカになることも時にはありますが、感謝あるのみです。
【未明】「贅沢」と言い切れてしまうところが、先生のすごいところです。なかなかそこまでいかない。
パリにはもう一つ大きな出合いがありまして。私はもともとミシェル・ルグラン(Michel Legrand~「シェルブールの雨傘」等の名曲で有名)の曲が好きで、2020年に発売した「MOULIN ROUGE」というアルバムでたくさんカバーしたんです。
その時アレンジを担当してくれたピアニストのクリヤ・マコトさんがミシェル・ルグランさんと共演していたこともあり、息子のバンジャマン・ルグラン(Benjamin Legrand)さんとデュエットさせてくれました。それがご縁で、今はラパン・アジルのピアニストのジャン・クロード・オルファリ(Jean-Claude Orfali)さんに手伝ってもらい、パリでのレコーディングを進めています。バンジャマンとのデュエットと私のソロと、album一枚分をパリで仕上げるつもりです。
2024年の今年は、ラバン・アジル連載に私の再起の物語を加えた書籍『命の水~L’eau de vie~』も出版され、フランス語の翻訳の話も進んでいます。小さなお店の出演やラジオの出演依頼も来たりしているので、今後は日本とパリを行き来しながら、絵と歌と執筆と、体と相談しながらですがやっていきます。
ハンディがあっても、言葉がそんなに流ちょうに話せなくても、真剣な思いを理解してくれる友達がいると、できることは広がるんだと実感しています。