「わたしのマンスリー日記」第22回「自治を生命(いのち)の若人は 強き『力』に生くるかな」

3年2組9番 島津 勇斗
 谷川彰英先生、この度はとんぼ祭記念講演の講師の依頼を快諾してくださり、本当にありがとうございました。
 僕が谷川先生の講療の中で特に印象深く残っているのは、やはり、谷川先生がALSに罹患されて、それでも「生きる」を貫き通すまでの流れのお話です。 
 僕自身、お恥ずかしながら、谷川先生のお話を伺うまで、「ALS」という病気について存じ上げておりませんでした。そのため、今回の講演で、谷川先生がALSを発症されてから段々と日常生活までも侵され、最終的に死の間近にまで立たされる…その恐ろしさが嫌という程に伝わってきて、衝撃を受けました。
 そうして、手足が動かせなくなり、発声もできなくなる。もし自分の身にそれが起こった時、僕は耐えられるとは到底思えません。それでも、谷川先生は「生きる」という選択をされて、ALSと戦いながら本を執筆し続けた。僕はこの事実に、言葉で表しきれない感銘を受けた事をはっきりと覚えています。
 感想を送ることができたのが数名となってしまいましたが、講演終了後、多くの方が口を揃えて「聞けてよかった」と言っておりました。改めまして、本校で講演をして頂き、本当にありがとうございました!

【島津君は合同協議会の会長として、終始連絡を取ってくれました。それだけに私の主張を正面から受け止めてくれました。私は8月29日に定期検査入院をしたのですが、その前後が最も厳しい時期でした。講演原稿で次のように書きました。

比較的楽にスルーできると踏んでいた『ALS 苦しみの壁を超えて―利他の心で生かされ生かす』の校正も熾烈を極め、入院当日の朝まで続きました。
異変を感じたのは入院当日の夜のことでした。パソコンが打てないのです。クリックできないのですから、カーソルは動かない、動かない、動かない。動き出したら、止まらない、止まらない、止まらない――状態でした。
最初はパソコンの不具合かとも考えたのですが、しばらくしてそれは右腕の筋肉疲労によるものだということがわかってきました。しかし、メールでたったの十数文字を打つのに1時間以上かかった時は、「もうダメだ」と観念しました。パソコンが打てなくなったら全てが終わると。
深志高校での講演のキャンセルも頭をよぎりました。しかし、それだけは絶対に避けなければならない。そこで命がけで講演原稿を書き上げることを決意しました。私は心の中で「自治を生命の若人は/強き『力』に生くるかな」を歌い続けました。それは「臥薪嘗胆幾星霜」の精神でもありました。

島津君には感謝です】

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