「わたしのマンスリー日記」第23回「ウォーリーをさがせ!」―勇気の波紋

 与えられた時間はわずか40分。その授業で「これが生活科だ!」ということを示さねばならない。至難の業であることはわかっていました。しかし、胸中「これならいける!」という確信めいたものがありました。そのヒントになったのが冒頭で紹介した『ウォーリーをさがせ!』でした。
 なぜ世界中の子どもたちがこの本のとりこになったか? それは絵本の描画の中からウォーリーを見つけ出すトリックにあったのです。子どもたちはどこかに潜んでいる秘密を探し出す活動なら必ず乗ってくるはずだと確信しました。
 次に考えたのは「何を」探し出させるかでした。考えついたのが「この写真どこで撮ったの?」というトピックでした。写真に写っている場所を探す程度の活動なら1年生レベル。対象は2年生なので、その写真を撮った場所を探すという活動を組むことにしました。このアイデアがヒットしました。
 今は写真を撮ると言えばスマホですが、当時は使い切りのインスタントカメラが主流で、カメラ屋さんに行くと使い切ったカメラを無料でもらえたのです。時代ですね(笑)。
 全員にカメラを渡し、グループごとに数枚の写真を張った画用紙を持って探検するという活動でした。詳細は活動案をご覧ください。
 1991年11月30日、授業の会場になった大分大学教育学部附属小学校には全国から400名もの参観者が駆けつけました。NHKのテレビも入りその日のニュースにも流れました。
 子どもたちも乗りに乗っていました。授業は成功したと言っていいでしょう。

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